浄瑠璃は、三味線を伴奏として語り手である「太夫」が詞章を語り、人形を加えない流儀もありますが、本来は操り人形が加わる、いわゆる「人形浄瑠璃」の音楽です。
その詞章は単なる歌ではなく、登場人物の台詞、仕草、演技の描写をも含むために語り口が叙事的な力強さを持っているため、浄瑠璃の口演は「歌う」ではなく「語る」という用語を用いています。
浄瑠璃は、太夫により節の語り口が違うため、演者の名前を付けて「義太夫」「常磐津」「清元」と呼ばれるようになりました。
特に「義太夫」は、浄瑠璃の代名詞であるほど最も大成した流派です。江戸時代初期に初代 竹本義太夫が創始、大成させ、太棹三味線を用いた重厚で迫力ある演奏と併せて各場面の情景、雰囲気、登場人物の言葉、喜怒哀楽の心情等を語り、表現するものとなっています。
近松門左衛門によって、人形浄瑠璃の名作が生まれ、それが歌舞伎にもとり入れられました。唐津には、近松門左衛門に関わりのある「近松寺」があります。